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2012年10月27日土曜日

体験談②(K先生)


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K先生の体験記です(^^)

51回麻酔科専門医認定試験体験記

8年目麻酔科医 (当直や連夜の急患などで体調はぼろぼろ)
9月は体調不良のため、ほとんど勉強ができませんでした。(と、言い訳をしてみる)
ちなみに、専門医試験には無事に合格
だが、口頭試験に落ちたと思っていました。。。そのわけは。

口頭試験

105日(金)1230分からの組でした。
控室に入ってみると、なんと、その組の中で一番若い受験番号!
ですので、最初のグループとしてすぐに試験会場に移動することになりました。
口頭試験では、男女2人の先生方が試験官でした。
噂通り、厳しい感じで笑顔の一つもないのですね(そのように感じられました)


<症例1>
70
代、男性。体格はややぽっちゃり。経尿道的前立腺腫瘍切除術が予定されている。既往は特にない。還流液としてソルビトールを使う。

・この症例を腰椎麻酔で行う場合の、メリットを3つ挙げよ。
・この手術で必要と考えられる麻酔レベルはどのくらいの高さであるか?
・もしTh6まで麻酔高があがった場合、何が問題となるか?
・還流液として生理食塩水を使う場合とソルビトール液を使う場合の違いを2つ述べよ。
・この手術で起こりうる合併症について述べよ。
・低Na血症を急激に補正した場合に起こりうる病態について述べよ。
・術中、術者が「膀胱穿孔した可能性がある」と伝えてきた時、まず、何をするか?

症例1では、オーソドックスなことばかり質問されましたが、「複数述べよ」形式の質問が多く、そのほとんどに対して必要より少ない個数の回答しかできませんでした。
というのも、実は私、TUR-Pの麻酔経験がありません(爆)
開き直って、「これ以上思い出せないので、次の質問をお願いします」と答え、
無駄に沈黙時間を作らないようにしていました。
私があまりにも可哀そうに思えたのか(顔色が蒼白で、死相の一つでも出ていたのではないかと思います)
誘導を禁止されているはずの試験官から助けの手が入ることすらありました。

<症例2>
20
代、男性。食後に自動車事故を起こし搬送された。意識は清明であり、胸部と腹部の打撲がある。既往は特にない。血圧80/40mmHg、心拍数120/min。試験開腹術が予定された。

・(胸部CTと胸部単純レントゲンを閲覧)この画像を見て、所見を3つ述べよ。
・外傷診療におけるABCDEを全て述べよ。
・この症例に全身麻酔を導入する際の注意点について述べよ。
・肺挫傷と気胸が存在する。導入前に100%酸素を5分間投与したところ、SpO298%を示しているが、無呼吸となったとき、SpO2>90%を維持できるのはどのくらいの時間だと思うか?
・ケタミンで導入する場合、何mg使用するか?
・この症例に対する循環動態の維持について輸血戦略を述べよ。
・この症例のShock Indexはいくつか?

症例2では特記すべきことはありません。数年前に3次救急病院で麻酔科・集中治療科として働いていたので、こちらの方は大きな問題なく答えられたと思います。
さて、問題は次の接遇問題にあります。


<症例3 接遇問題>
「脳梗塞の既往のある80代男性に、脳外科手術が予定されています。患者はバイアスピリンを内服しており、脳神経外科の先生からこのことについて問い合わせがありました。休薬について、脳神経外科医に3分間で説明してください」

接遇問題のスライドを見た瞬間、思考停止した私(爆)
『(心の声)  えっ?!接遇問題って、患者さんやその家族に麻酔の合併症について説明する問題じゃないの。大体、問題1,2と関係ないし・・・。
ええと、この場合、まずは自己紹介と相手の確認から行うのかしら???』
と、パニックとなり、どもりはじめた私に対して、残酷な終了宣告が試験官から。
「では、これで口頭試験は終了です。」と。
この瞬間、『口頭試験に落ちた……』と思いましたが、挨拶を忘れずに退室しました。


実技試験

1問目
「分離肺換気」
【状況設定】
 この患者さんは肺がんで、左肺全摘出術が予定されています。麻酔が導入されているものとして、シミュレーターに対して挿管して下さい。

机の上に用意されていたものは
・喉頭鏡
・左用ダブルルーメンチューブ(部品バラバラ)
・右用ダブルルーメンチューブ(部品バラバラ)
・ブロッカー(袋に入ったままの状態)
・普通の気管チューブ
・気管支ファイバー
右用ダブルルーメンチューブを選んで組み立て、挿管しようとするも、(初めて使用するためか)チューブのすべりが悪くて挿管できず!
試験官と3人で押したり引っ張ったり、シリコンを使って気管に挿管できたものの、今度もファイバー下で気管支に挿管できず。(チューブが全く動かなくなってしまった。。)
で、結局、時間切れになってしまったので、口頭で挿管方法や確認方法、DLTでの分離肺換気方法などを述べさせられて、終了となりました。挿管できなくても合格できるんですね。

2問目
「エコーガイド下右内径静脈穿刺」

CV
穿刺の人形の隣に若い男性がベッドに横になっている。
・エコーを用い、静脈と動脈を同定してください。また、その理由を述べてください。
・それぞれなんと言う名称の静脈、動脈ですか。
その横にCV穿刺用の人形が置いてある
・では実際にエコーを用いてCV穿刺を行ってください。
・(ガイドワイヤー挿入後)ガイドワイヤーはどれですか。
 生きた人間に刺すのかと思って、緊張しました。とりあえず、声掛けは忘れずにしてみました。


<3問目>
ACLS
ACLS
で使う人形が置いてある(挿管されている)。
【状況設定】
 通常通り、研修医とともに全身麻酔を導入すると、突然(モニター上、HR40bpm、洞調律に見える)になりました。頸動脈を触れてみると触れません。研修医に指示を出しながら行動してください。
・さて、この波形は何と言いますか?
・ではこの波形をPEAとします。まずすることは何ですか?どのようにしますか?薬は何を使いますか?
波形を見るとこのようになっています(Vf
・どうしますか?
<4問目>
「麻酔器の始業点検」
【状況設定】
 研修医(試験官)に麻酔器の始業点検を教えているつもりで、ガイドラインに従った始業点検を行ってください。
ちなみに、私の部屋のリークは、人工鼻のキャップがとれていました。
他の人の話では、ソーダライムが開いていたり、バッグに大きな穴が開いていたりと、バリエーション豊富だったようです。
パイピングを実際にはずそうとしたりすると、「それはやらなくてよい(言葉確認で良い)」と声をかけられました。
  
感想
絶対に口頭試験で落ちたと思っていたのですが、何故か合格していました。巷では(2ちゃんやその他のネット上の噂など)『接遇問題が出来なければ、それまで満点でも口頭試験は不合格』と言われていますが、接遇問題で何も答えられなかった私が合格しています。(あまりにも猜疑心だらけだったので、早速、登録料を振り込んだら、学会会員ページのステータスが更新されました。)
この理由として考えられますのは、
1 去年までの接遇問題に対する配点と今年の配点は異なった。
2 接遇問題以外の回答が完璧だった。
3 そもそも、2ちゃんでの噂自体が嘘である。
4 (死相の出ている)私に同情票を投じてくれた?
2は絶対に違います。3は去年の話を聞く感じ、嘘ではなさそうですよね。
1(+4)というのが疑わしいところであります。

ともかく、接遇問題にそんなにおびえる必要はない!!ということを、(n = 1)の経験談として
力説したいがために、こちらの体験記を書いてみました。
この度は、大変お世話になり、まことにありがとうございます。

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