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2012年5月20日日曜日

まとめ:心臓弁膜症 僧帽弁逆流量(MR)


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□基礎知識
・通常は慢性に進行する。原因は僧帽弁逸脱やリウマチ性(激減)、虚血性が多い。
・急性発症のものは心筋梗塞に伴う乳頭筋断裂や感染性心内膜炎が多い。
・左房拡大のためしばしば心房細動を呈する。
・IABPは有用。

 ※余談ですが、中年女性で機械弁の弁葉の片方が外れて急性MRを発症し、外れた弁が腹部大動脈〜両総腸骨動脈部にひっかかっていた症例を経験したことがあります(手術は緊急僧帽弁置換。後日腹部大動脈を遮断、部分切開して取り出しました)。



□病態の進行
・本態は収縮期の左房への逆流と拡張期の左室への容量負荷
・慢性では代償性に左房・左室が拡大しLVEDVが増大し、LVEDP上昇は抑えられる。
慢性的な左室拡大により収縮性が低下し、低心拍出量から心不全へ。
・左房への逆流のため、見かけ上の心拍出量・駆出率が保たれるが、順行性の1回心拍出量は減少しており、それさえ低下がみられれば相当の病態の進行を意味する。逆流率が50%を超えるようであれば左房圧が上昇し肺うっ血を来す。末期には肺動脈圧が上昇し、右心不全を呈する。
・急性ARと同様に急性MRも代償反応が働かないため、急速に肺うっ血が生じる。

□麻酔管理のチェックポイント
・逆流量を増加させるような徐脈、後負荷の上昇を避ける。十分な前負荷と(できれば)洞調律を維持する。


□参考文献・書籍・Web
1)合併症麻酔のスタンダード p292-293
2)麻酔科トラブルシューティングAtoZ p92-93
3)麻酔科エラーブック p560-561
4)心臓手術の麻酔 p361-366
5)心臓麻酔ポケットマニュアル p228-233
6)患者術前評価・管理の手引き p76-77





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