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□術前のチェックポイント
・日常の活動度
・認知機能障害の有無
・高血圧の有無
・虚血性心疾患の合併の有無
・心不全の既往の有無
・脳血管障害の既往の有無
・感染症(特に肺炎)の有無
・嚥下障害、誤嚥の有無
・褥瘡の有無と部位
□循環
・拡張期血圧の低下と収縮期血圧の上昇(脈圧の増大)が起こる。
・圧受容体反射が減弱するため、循環血液量の増減、体位変換、麻酔深度の変化や、区域麻酔による交感神経遮断により低血圧が起こりやすい。
・冠動脈疾患の頻度が増加する。心筋梗塞は無痛性のものが多い。
・心室コンプライアンスの低下や動脈硬化などによる後負荷の増大は心室の仕事量を増大させる。
・薬剤による心拍数変化(アトロピン、イソプロテレノール、プロプラノロールなど)は高齢者で低下する。
□呼吸
・肋軟骨や胸壁の硬化により胸郭コンプライアンスが低下(拘束性障害)。
・肺活量の減少、残気量の増加、一秒量の減少。
・換気血流不均等が悪化するため、低酸素血症になりやすい。
・クロージングボリュームが機能的残気量を上回るため、気道閉塞が生じやすく鳴る。
・生理学的死腔の増大と肺の拡散能が低下(加齢に伴う肺気腫傾向のため)
・低酸素と高二酸化炭素に対する換気応答が低下する。
・気道反射が減弱するため、誤嚥とそれにともなう肺炎のリスクが上昇する。
□肝臟
・肝機能および肝予備能が低下し、アルブミンの産生は減少する。
・そのため薬物代謝の遅延と、低アルブミン結晶によるタンパク結合率の低下により、薬物の感受性が増大する。
□腎臓
・加齢が原因で血清クレアチニン値は上昇しないが、クレアチニンクリアランスは加齢と共に低下するため、クレアチニン値が正常値だからといって腎機能障害がないとは言えない。
・腎血流量と糸球体濾過率は低下するため、腎臓からの薬物の排泄遅延が起きる。
□薬理
・アルブミンなどの循環血性タンパク量が減少するので、タンパク結合量が減少し、薬理学的効果は増強する。
・吸入麻酔薬のMACは約6%/10年の割合で低下する(イオンチャネルやシナプス活動、受容体の感度変化による)。
・カテコラミンに対する反応は低下しているので通常より高用量が必要。
・チオペンタールは脳の感受性は変化しないが、初期分布容量が低下するため、必要投与量が減少する。
・プロポフォールは脳の感受性が高まることと、クリアランス低下により、必要量が減少する。
・モルヒネの鎮痛必要量も減少(腎排泄のM-6-Gの影響の排泄遅延も影響)。
・筋弛緩薬の薬力学は変化しないが、クリアランスの低下により作用時間が延長する(肝腎機能の影響)
□中枢神経系
・麻酔薬の感受性が高くなり(薬物による)、必要量が減少する。
・血圧、酸素、二酸化炭素に対する脳の自動調節能は保たれる。
□術後認知機能障害のリスク
・術前の認知症や痴呆
・高齢・身体機能の低下
・ハイリスク手術
・不十分な疼痛管理
・感染 など
□参考文献・書籍・Web
1)麻酔科専門医認定筆記試験問題解説集
2)MGH麻酔の手引き p517-524
3)麻酔科シークレット第2版 p434-439
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