さらりーまん麻酔科医の専門医試験対策ページです。これからもよりよい対策資料を作っていきたいと思っています。 何かご相談などあればいつでもメールください。 ※ブログ引っ越しました。
2012年5月9日水曜日
まとめ:腕神経叢ブロックのアプローチと合併症
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※手技(神経刺激法やエコーガイド下)に関しては煩雑になるので割愛していますm(_ _)m
※腕神経叢ブロックは効果が十分に出るまで20〜30分もかかるので、入れ替えの激しい忙しい病院の手術室(特に日本・・・)ではまだまだメインの麻酔法としては普及してないようですね・・・・。
□斜角筋間アプローチ
・肩〜近位上腕の手術に最も適応。
・尺骨神経は麻酔不十分になりやすいため、前腕や手の手術には尺骨神経ブロックを併用しないと厳しい。
・局所麻酔薬の注入量は30~40ml程度。
・持続注入には5~10ml/hrを用いるが、頸部の運動でカテーテルの先端の位置が変化しやすい。
◯主な合併症
・横隔神経ブロック:横隔神経麻痺による呼吸抑制が起こるため、健常者では問題になることはないが、COPD患者などの呼吸不全や呼吸予備能が低下しているような患者では避けた方が無難)
・クモ膜下注入:全脊椎麻酔になるため気道・循環管理が必要になる。
・椎骨動脈注入:局所麻酔薬が多量のため、一瞬で局所麻酔薬中毒を発症する!
・硬膜外注入
・星状神経節ブロック:Horner徴候(眼瞼下垂、縮瞳)や施行側の鼻閉などが起こる。
・反回神経ブロック:嗄声
・まれに気胸
□鎖骨上アプローチ
・神経幹レベルで麻酔できるため、肩以外の上肢の手術に適する。
・が、やはり尺骨神経領域は不十分になりやすい。
・局所麻酔薬の注入量は上記と同様。
・合併症に気胸があるため、呼吸不全患者では避けたほうが無難。
・持続注入に関しては上記と同じ。
◯主な合併症
・気胸
・血管内誤注入
・星状神経節ブロック
□鎖骨下アプローチ
・上腕の中央より遠位の手術に最適。
・局所麻酔薬量は上記と同様。
・撓骨神経領域や筋皮神経領域は不十分になりやすい。
・持続法は容易。
◯合併症
・気胸
・血腫や感染、神経損傷など
□腋窩アプローチ
・最も広く行われている
・手の手術や肘より遠位の手術に適する。
・筋皮神経や撓骨神経領域は麻酔不十分になりやすい。
・局所麻酔薬の注入量は40〜50ml程度。
・Bierブロックとの併用も行われる。
・持続法も容易。
◯合併症
・腋窩動脈の誤注入以外は重篤な合併症はない。
1)MGH麻酔の手引き p307-317
2)こだわりの局所麻酔 p25-41
3)麻酔科専門医認定筆記試験問題解説集 各年度
4)麻酔の達人 p203-210
5)麻酔への知的アプローチ p556−557
6)麻酔科診療プラクティス5 麻酔科医に必要な局所解剖 p132-135
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