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※TURによる低Na血症の閲覧頻度が結構高いのでまとめておきます・・・(^^ゞ
※最近は灌流液が従来のウロマチック®ではなく、生理食塩水の使用が主流になってきているようです(当院泌尿器科医談)。教科書的には以前より行われていたようですけどね。TUR症候群(希釈性低Na血症)という言葉は近い将来死語になってしまいそうですね(^^)。生理食塩水の吸収による循環血液量増大による合併症はあるでしょうが・・・。
□TURの主な合併症(P、Bt含)
・希釈性低Na血症、循環血液量増大(いわゆるTUR症候群)
・膀胱穿孔(1%未満)
・低体温(灌流液の温度が低いと)
・菌血症
・凝固障害など
□TUR時に用いられる灌流液の種類
◯生理食塩水(最近のバイポーラシステムなら)。希釈性低Na血症を起こさない。◯蒸留水(昔)。血管内溶血や水中毒、腎不全などのリスクがあり現在ほとんど用いられない。
◯3%D-ソルビトール(日本ではほとんどこれ)
・代謝されて30%はブドウ糖、70%は二酸化炭素に。高血糖や浸透圧利尿による脱水などを起こすこともある。浸透圧は165mOsml/kgとやや低張。
◯1.5%グリシン:肝臓でアンモニアに代謝⇒意識障害や昏睡のリスク。抑制性神経伝達物質でもあり、網膜に抑制的に働くことで一過性の視力障害を来すこともある。
◯5%マンニトール:等張。代謝されず腎排泄のみ。吸収多量で血管内容量が他に比べて増加しやすい⇒心不全のリスク。
□TURと出血量(術中は灌流されるためわかりにくい!)
・前立腺肥大症では大きくなるにつれ出血量が増す。前立腺容量30g以下ではほとんど問題にならないが、45g〜80gを超えてくると輸血が必要になることがある。
□麻酔法
・全身麻酔、脊髄くも膜下麻酔(+硬膜外麻酔)いずれも行われるが、後述のTUR症候群や膀胱穿孔の早期発見の観点からは後者が選ばれることが多い。また高比重の局所麻酔薬を適切に使用することで、循環動態の変動を最小限にすることができる。
・必要麻酔高:T10(12)ーS4
・全身麻酔による陽圧換気は静脈圧を上昇させるため、後述の灌流液の吸収量を減少させる可能性もある。しかし、術後の息こらえや抜管時の咳などで再出血するリスクもある。
・腫瘍が膀胱側壁にある場合、特に灌流液で膀胱が充満しているため、外側を通過する閉鎖神経との距離が近くなり、電気メスの刺激で大腿の内転運動を起こし膀胱穿孔を起こす可能性がある。そのため閉鎖神経ブロック(1%メピバカインなど10〜15ml程度)を行う。(閉鎖神経ブロックについては別頁で)
1)手術別麻酔クイックメモ p228-231
2)MGH麻酔の手引き p509-511
3)麻酔への知的アプローチ p514
4)麻酔科シークレット p534-541
5)麻酔科臨床の書 p67-71
生食でTURやって通電しないんですか?
返信削除コメントありがとうございます。
削除比較的新しい機器の場合、あの輪っかみたいなメスが従来のモノポーラではなくバイポーラメスになっているらしく、
通電しないとのことです。
なるほど!
削除ありがとうございます。