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2012年4月26日木曜日
まとめ:アナフィラキシー
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※又聞きですが、抗生剤投与を行いながらの歩行搬入中(エレベータ内で)にアナフィラキシーショックを起こし、不幸な転機をたどったことがあったそうです・・・・。
早期に適切な処置を行えば死亡することは稀。徴候を見逃さず素早い対処を!
周術期は様々な薬物の投与が行われること、血圧低下や気管支痙攣は特にめずらしい現象ではないこと、皮膚徴候が敷布に覆われていて気づかれにくいことなどから、特に気をつける。
※麻酔中のアナフィラキシーの頻度は1〜2万例に1例、死亡率は5%・・・。
※アナフィラキシーとアナフィラキシー様反応の違い
臨床的にはほぼ同じ症状を呈するが、IgEを介しているかどうかの違い
□病態
・末梢血管拡張、毛細血管透過性亢進による静脈還流減少
・心収縮力の低下 により生じる重篤な血圧低下、循環虚脱
□原因薬物
・抗菌薬
・麻酔薬(特にバルビツレート系や筋弛緩薬など)
・造影剤 など
□徴候
・蕁麻疹と潮紅(約80%に出現)
・気管支痙攣や気道浮腫(⇒呼吸不全、気道確保前なら迅速に気道確保!)
・重篤な低血圧
・肺水腫 など
□鑑別すべきもの
・腸間膜牽引症候群
・局所麻酔薬誤注入
・迷走神経反射
・心筋虚血 など
□治療
・原因薬物の中止。循環虚脱が生じていれば麻酔薬の投与中止
・100%酸素投与。挿管されていなければ迅速に挿管
・低血圧に対して
①晶質液、膠質液の急速輸液
②アドレナリン(アナフィラキシーには第一選択)投与。α1作用による血管収縮、β2作用による気管支拡張作用、ヒスタミン遊離の抑制作用を持つ。
・0.3〜0.5mg筋注 または0.05〜0.1mg緩徐に静注
③必要に応じてその他のカテコラミン投与
・ノルアドレナリン2μg/min〜
・ドパミン5μg/kg/min〜
・ショックが続くようであればアドレナリン上記静注後に2~8μg/minで投与
カテコラミンによる心収縮力の改善が見られないようであれば(TEEで観察)、PDEⅢ阻害薬の投与も考慮
・ステロイド投与(ヒドロコルチゾン250~1000mgやメチルプレドニゾロン1~2gなど)
・β遮断薬投与患者ではエピネフリンの効果が不十分であることがある。その場合はグルカゴン(5~15μg/min持続静注)やイソプロテレノールを投与。
・気管支拡張薬の吸入やアミノフィリン5mg/kgの投与
□参考文献、書籍、Web
1)MGH麻酔の手引き p350-35
2)Littel ICU book p433-435
3)麻酔科トラブルシューティングAtoZ p502
4)麻酔科専門医認定筆記試験問題解説集各年度
5)麻酔科研修チェックノート第3版 p163-165
6)麻酔科学スタンダードⅣ p135
7)合併症麻酔のスタンダードp207-216
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