さらりーまん麻酔科医の専門医試験対策ページです。これからもよりよい対策資料を作っていきたいと思っています。 何かご相談などあればいつでもメールください。 ※ブログ引っ越しました。
2012年3月3日土曜日
49回麻酔科専門医試験:口頭試問4-2
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58歳の女性。高血圧にて薬を服用中、身長158cm、体重88kg、
甲状腺癌の診断、気管が軽度圧迫されているが気管粘膜まで
の浸潤はないことが確認されている.甲状腺摘出術が予定さ
れた。
質問
1) 術前評価
①この患者の術前での問題点を挙げて下さい。
2) 麻酔管理について
①導入前10分以上かけて純酸素を十分に投与しました。呼吸
循環状態は安定しており、チオペンタール200mg静脈内注射
を行いました。意識消失したので、マスクを当てて用手的気
道確保を行い、バックを押そうとしましたが換気できません
でした.仮に、呼吸停止をきたしてなんら適切な処置がなさ
れなかったとしたら、何分程度でSaO2が90%以下になります
か。
②原因として何を考えますか。その対処法についても述べて
下さい。
3) 気道確保
チオペンタールを追加し、マスク換気が可能となりました。
ロクロニウムを80mg投与し、筋弛緩を得て喉頭展開を試みま
した。開口はしますが、咽喉頭の視野が確保できません。
①気管挿管に入る前に何をしますか。考えられるものをすべ
て挙げて下さい。
②気管挿管のための補助器具には具体的にどのようなものが
ありますか。
③それでも気管挿管ができないときはどうしますか。
4) 術後管理について
①挿管困難であったが気管挿管下で甲状腺摘出術が無事行わ
れました。術後合併症について可能性のある病態を挙げて下
さい。
②術後手術部位の出血を認め、気道狭窄症状を呈しています。
緊急手術の依頼を受けました。どのような管理にしますか。
1)術前評価
①術前問題点
・高血圧
・肥満⇒気道確保注意。SASの有無などチェック
・気管の軽度圧迫⇒やや細めのチューブを使用したほうがよいか?
2)麻酔管理について
①純酸素10分投与後、呼吸停止でSaO2が90%になるまでの時間
成人のFRCはおよそ2.5㍑程度であるとすると、仰臥位、全身麻酔下ではおよそ1.2㍑程度まで低下する。純酸素を投与していたためFRCにはそのまま1,200mlの酸素が存在。
動脈血酸素含量はHbが12とすれば血液100mlあたり16ml程度である。循環血液量を5L程度とすると800mlの酸素が溶存している。SaO2が90%のときの動脈血酸素含量は上記の循環血液量だと700ml程度。安静時酸素消費量は250ml/分程度であるため1300mlの酸素を消費するのに約5分程度である。
が、高度肥満もあるためFRCはさらに低下しており、酸素消費量も通常の成人よりも大きいとかんがえられるため、おそらく2〜3分ともたないのではないでしょうか?
②原因と対処
・息こらえによる換気困難
・そもそも気道確保困難患者の可能性(巨舌の舌根沈下、技術不足など)
3)気道確保
①気管挿管に入る前に何をするか?
・応援を呼ぶ
・AWSやGEB、光源付スタイレットやLMAの準備(してるとは思いますが・・)
②気管挿管のための補助器具
・上記+気管支ファイバー
③それでも挿管できないとき・・・
・もしCVCIであれば、大至急応援を予備、緊急気管切開(キットなどを使用)
・換気はできているため、筋弛緩薬を急速拮抗(スガマデックス使用)し麻酔覚醒。その後今後の対応を協議。意識下でファイバーやAWSなどを使用して挿管を試みる?気管切開をおいてから手術?(でも甲状腺手術なのでどこまで可能かがわかりません・・・)
4)術後管理について
①術後合併症について可能性のある病態
・術後出血
・嗄声
・咽頭の浮腫(挿管操作を繰り返した場合)
②術後出血で気道狭窄⇒緊急手術。どのような管理?(これって悪夢ですよね)
・意識下でファイバーもしくはLMA、AWSを用いた気管挿管。
・その余裕もないときには、局所麻酔下で創部切開し血腫除去したのち挿管、などでしょうか?
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