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75歳の女性。身長 150cm、体重 46kg。直腸癌に対して人工肛
門造設術が予定された。現在、脊椎への転移による疼痛に対してモ
ルヒネ徐放製剤180mg/日を内服している。ヘモグロビン濃度
8.0g/dl、総蛋白5.2 g/dl以外に異常検査値はない。
質問
1)術前評価と管理
①この患者の術前状態における問題点を列挙してください。
②術前に必要な検査を挙げてください。
2)周術期管理
①麻酔管理はどのような点に注意しながら行いますか。
②術後モルヒネ180mg/日をフェンタニルパッチへ変更する際,何mgフェンタ
ニルパッチを使用したら良いですか。
3)がん性疼痛を有する患者の全人的ケア
①がん性疼痛治療におけるWHO 方式の三段階ラダーについて説明してください。
②WHO 方式のオピオイド処方時の5 原則を挙げてください。
③緩和ケアで用いる麻薬の内,知っているものを挙げてください。
1)術前評価と管理
①この患者の術前状態における問題点を列挙してください。
・高齢者
・貧血
・消化管通過障害(腸閉塞まできたしているかは不明)
・やや低栄養
②術前に必要な検査を挙げてください。
・血算・生化・他の転移の有無・心電図・心エコー・できればスパイロ
・硬膜外麻酔使用を考えると脊椎転移がないかどうかの検査が必要。
2)周術期管理
①麻酔管理はどのような点に注意しながら行いますか。
・通過障害があるようなら迅速導入を行う。
・脊椎転移がなければ硬膜外麻酔併用で行う(通過障害がある場合は腸管運動が亢進することを考慮して人工肛門作成後に開始)
・硬膜外麻酔を行わない場合は、術後鎮痛はフェンタニルのIV-PCAで行う。
②術後モルヒネ180mg/日をフェンタニルパッチへ変更する際,何mgフェンタ
ニルパッチを使用したら良いですか。
・モルヒネとフェンタニルの換算は100:1であるためフェンタニル1.8mg/day。フェンタニルパッチの推定平均吸収量は容量のおよそ1/7とされているため1.8×7=12.6。
つまり、12.6mgフェンタニルパッチを使用する。
3)がん性疼痛を有する患者の全人的ケア
①がん性疼痛治療におけるWHO 方式の三段階ラダーについて説明してください。
・ ①WHO方式除痛ラダーについて
鎮痛薬の段階的な使用法を示したもので。
②WHO 方式のオピオイド処方時の5 原則を挙げてください。
1. 第一段階:非オピオイド鎮痛薬+鎮痛補助薬
2. 第二段階:弱オピオイド(低容量オキシコドン含)+NSAID+鎮痛補助薬
3. 第三段階:強オピオイド+NSAID+鎮痛補助薬
の三段階で表される。
※ 弱オピオイド:コデインやペンタゾシン、ブプレノルフィン、ブトルファノール、トラマドールなど
※ 強オピオイド:フェンタニル、モルヒネ、オキシコドンなど
※ 鎮痛補助薬:抗うつ薬(アミトリプチリンやイミプラミン)、抗けいれん薬(カルバマゼピン、バルプロ酸、クロナゼパム、ガバペンチン、プレガバリンなど)、抗不整脈薬(リドカイン、メキシレチンなど)、ステロイド(プレドニゾロンやデキサメタゾンなど)
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① 経口的投与(by mouth)
② 定時投与(by the clock)
③ 段階的投与(by the ladder)
④ 個人的投与(by the individual)
⑤ 鎮痛補助薬の使用(use of adjuvants) or 細かい配慮(attention to detail)
③緩和ケアで用いる麻薬の内,知っているものを挙げてください。
・硫酸モルヒネ(MSコンチンなど)
・塩酸モルヒネ(アンペック、オプソなど)
・塩酸オキシコドン(オキシコンチン)
・フェンタニル(フェンタニル、デュロテップパッチなど)
・ケタミンなど
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