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77歳男性。身長168cm、体重61kg。すい臓癌に対して、膵頭十二指腸切除術が予定された。現在、食欲不振と黄疸がある。狭心症があり、3年前にステントが留置されている。以後ワルファリンとチクロピジンが投与されていたが、手術予定日の1週間前に中止されていた。日常生活において胸痛などの症状はない。
質問
1)術前評価と管理①麻酔管理状の問題点を列挙してください。必要な追加検査・問診などがあれば挙げてください。
2)麻酔法および術中管理
①麻酔法および術中モニターは何を選択しますか
3)術後管理
①術後鎮痛はどのように行いますか?
4)周術期危機管理
麻酔は硬膜外麻酔と全身麻酔で行い、手術終了時から術後硬膜外持続鎮痛を開始した。手術時間は約10時間、出血量は3500mlであったが、覚醒は良好であった。覚醒時には下肢の動きは良好であったが、深夜(病棟帰室3時間後)、患者が「下肢を動かしにくい」と訴えていると連絡があった。
①この時点で、下肢運動障害の原因としてなにを考え、どのように対処しますか?
②翌朝早朝、両下肢の感覚、運動は完全に麻痺していた。何を考え、どのような検査を行いますか?
③MRI写真を提示します。どのような所見がみられますか。どのように対処するか述べて下さい。
1)術前評価と管理
①麻酔管理状の問題点を列挙してください。必要な追加検査・問診などがあれば挙げてください。
・高齢
・低栄養の可能性
・黄疸⇒肝機能障害or閉塞性黄疸
・狭心症(ステント留置)と抗凝固・抗血小板薬の内服
追加検査
・心エコー、できればCAG、負荷心電図
・日常生活の程度、活動度の再評価。散歩や階段可能か。
・凝固能再検査
・ICG試験
2)麻酔法および術中管理
①麻酔法および術中モニターは何を選択しますか
・凝固能が戻っていれば硬膜外麻酔併用全身麻酔で。
・動脈ライン(フロートラック)と中心静脈ライン(プリセップ)、太い静脈ライン追加。
3)術後管理
①術後鎮痛はどのように行いますか?
・硬膜外チューブを留置していれば0.2%ロピバカイン+フェンタニルのPCEA
・なければフェンタニルによるIV-PCA
4)周術期危機管理
麻 酔は硬膜外麻酔と全身麻酔で行い、手術終了時から術後硬膜外持続鎮痛を開始した。手術時間は約10時間、出血量は3500mlであったが、覚醒は良好で あった。覚醒時には下肢の動きは良好であったが、深夜(病棟帰室3時間後)、患者が「下肢を動かしにくい」と訴えていると連絡があった。
①この時点で、下肢運動障害の原因としてなにを考え、どのように対処しますか?
・局所麻酔薬の影響が強くでている(術後下肢運動が良好なことから考えにくいか)
・脳梗塞(下肢だけなので考えにくいか)
・硬膜外血腫(抗凝固薬・血小板薬内服後のため一番考えやすいか)。
診察で両側性か片側性かを確認する。片側性で意識障害や瞳孔不同などがあれば脳梗塞を疑いCT、MRI検査。
麻酔域を確認する。穿刺部位と局所麻酔薬の流量とを鑑みて矛盾がないかを確認する。また、カテーテルを吸引してみて髄液や血液が吸引されないかを確認する。
穿刺部位はおそらくTh7~Th10程度であると思われるので、局所麻酔薬の影響で下肢のみの麻痺は考えにくく、両下肢の完全麻痺であれば、硬膜外血腫を強く疑い緊急MRIを行う。
②翌朝早朝、両下肢の感覚、運動は完全に麻痺していた。何を考え、どのような検査を行いますか?
こうならないように診察したとは思うんですけどね・・・・Σ(゚д゚lll)
・硬膜外血腫を強く疑いMRIを取る。
③MRI写真を提示します。どのような所見がみられますか。どのように対処するか述べて下さい。
・写真はありませんが、おそらく血腫が脊髄を圧迫しているのでしょう。
・大至急整形外科もしくは脊椎外科に連絡し血腫除去の依頼。
・家族にも説明を丁寧に。
これってゴールデンタイム逃してますよね・・・・・
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