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2015年4月14日火曜日

体験談㊱(第53回麻酔科専門医試験)




 今年の合格率をみると、私の体験談で必要なのかなと思いますが、つらつらと書かせて頂きます。
私は口頭試問対策だけサラリーマン先生にお世話になりました。

筆記試験
前年の専門医試験が始まる少し前に、そろそろ来年受けようかな?なんて漠然と考えておりました。
本格的に問題集を始めたのは半年切ってからですが、せっかく受けるのであれば、ちゃんと知識が得られる勉強をした方がいいのでは?と私ながら思うところがあったので、基礎の部分はそれなりの教科書を読んで勉強しました。
過去問は5年分3周やりました。
出来はAが9割、Bが6割、Cが7割くらい?だと思います。
基本的にこれで大丈夫だと思いますが、ここ数年の傾向をみてやり残したことと言えば、ガイドラインをもっとチェックしておけばよかったかもしれません

口頭試問
これは本当にサラリーマン先生の青本にお世話になりました!

症例① 40歳くらいの肥満男性。急性虫垂炎に対し、緊急ラパアッペの麻酔症例。通院歴はないが、最近立ちくらみがあるそう。
→いまいちピンとこない症例だな?と思い、肥満の対策とSASのことや腹腔鏡の合併症など書き込みました。
部屋に入って一通りラボデータ見せられ(Hb17, HbA1c7, PaO2 75とか?)、バイタルは問題なさそう…
問題1 問題点5つ
→5つもあるのか?!
肥満、フルストマック、立ちくらみ(貧血ないので起立性低血圧とか?)、耐糖能異常、挿管難しそう?
問題2 導入の薬、具体的な量、モニター
→標準モニター、バイタル問題ないので、フェンタ100mcg, プロポ実体重で20mg/kg, ロクロ標準体重で0.9mg/kgで輪状軟骨圧迫して迅速導入
問題3 挿管難しかったけど、導入できました。多分ここでCT(確か肝レベルスライスで、後腹膜くらい?のとこに腫瘤性病変あり)、Cormac3だったかな?(うろ覚えですみません)
気腹開始したところで、血圧230、心電図(見せられ、PVC散発)がこうなりました。鑑別5つ
→鑑別5つ?!ちょっとテンパりそうになりましたが、とりあえず
浅麻酔、CO2による交感神経や腹膜の刺激、とゆっくり答えましたが、試験官は頷くだけ。。
ちょっと間をおいて 二次性高血圧も考えておいたほうがよいかもしれません。と答えたところ、試験官が『例えば??』と食いついてきたので、もしかしてこれなの?と思い、褐色細胞腫、原発性アルドステロン、甲状腺機能亢進症とすかさず。
問題4 薬の投与の前に、まず何をしますか?2つ
→2つと聞いてちょっと混乱してしまいましたが冷静に考えて、オペ気腹中止と術者に報告と答えました。
問題5 レギチーンで血圧下がりました。オペできますか?と術者が聞いています。理由も
→褐色細胞腫確定ですね。
これはどっちでもいいんじゃないの?と思いました。抗生剤でしばらく様子見て立て直せるのであればオペ中止が望ましい、αブロッカーでしっかりコントロールしたほうがよいです。
問題6 オペ続行しましたが、抜管前血ガスP/F150、どうしますか?
→もともと肥満もあるので、無気肺かなと思います。酸素化不良なので抜管せずICU帰室します。
問題7 具体的な人工呼吸モード、圧設定も
→PC-SIMVで、圧とかは省略します。
問題8 ICU科Drに申し送り
→省略

症例②下部消化管穿孔でオペ後の患者。血圧低くてノルアド持続。P/F250。
波形とかの問題が多かったので、ざっと書きます。答えは省略で。
人工呼吸器モード、圧設定、波形、PCVとVCVの利点と欠点2つずつ、鎮静鎮痛の薬と量(思いつく限り挙げてくださいと言われました)、ICU申し送り
こんな感じです。

接遇は甲状腺オペ(10時間)後、導入時に挿管難しかったとのこと。浮腫ありで、外科は問題ないので抜管してほしいとのことで、どうするかという問題
外科医に説明してくださいと言われました。
→上気道浮腫が強く疑われるということ、挿管難しかったということもあり、抜管しない方がよい。そのままICUで人工呼吸管理。
浮腫はさらにひどくなることもあり、抜管後に完全閉塞することもある。
術後の浮腫によるものであれば、3日ほどで改善が見込まれる。
その際はカフリークテストして、20の圧でリークあれば抜管。
(外科医は抜管したそうでしたが、押しきりました。)
Q 抜管時に注意することは?
→再挿管のリスクあり。最悪の場合CVCIに至ることもあり、人手の確保と外科的緊急気道確保の準備を。

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