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2012年10月10日水曜日

体験記その②

 囚人のように一列になり業務用エレベータへ。
別のブログにも書かれていましたがまさに「ドナドナ状態」(笑)出荷〜
 この小さなエレベータ(荷馬車)に係のお兄さん含めて15人くらいですし詰め。どうせ2つの階に別れるならもともと別れればいいのに・・・などと愚痴りながら8階(だったかな)へ。
 ドアを開けると客室の長い廊下の突き当り。部屋の両側にずら〜っと椅子が並べられており異様な雰囲気。

 私の担当の係のおねえさんは可愛かったなぁ。
「では、じ、時間を測りますので、5分間読んでくら・・ください・・(^_^;)」
「はい()」
・・・
3−1:74歳?男性。ASⅢ度に対して大動脈弁置換術が予定された。
3−2:31歳女性。既往歴は特に無し。骨盤位に対して帝王切開術が予定された。
・・・



シンプルーーーーー((((;゚Д゚))))
まったく質問が予想できない、というかメモしようがない・・が、心臓外科と帝王切開はよくかけているのでこれはチャーンス、と安心したのが間違いだったのですが。
タイマーが鳴っていよいよ私の番に。

女の子「次の方よろしいですか〜?」
面接官「は〜い、いいですよ〜」

お、なんか感じいい先生〜〜(^^)

私:「●△番の雇われ麻酔科医です」
面1「は〜い、じゃぁ座ってください」
私:(あ、去年の実技の時の先生だ。もう一人の先生はムスッとしてるなぁ〜)
面1「はい、では始めますね。問題はもう読みましたね。ではこの患者さんの循環管理について述べてください」
私:「それは術中のですか?」
面1:「まぁ、周術期管理という観点で」
私:「はい、ARの患者(爆)なので(この時点でどれだけ緊張していたかわかりますよね・・・)・・徐脈がなんたらかんたら、後負荷をなんたらかんたら・・・」
面1:(面2の先生と顔を見合わせて)「まぁ・・いいですかね」
私:(何が〜〜〜〜((((;゚Д゚))))?
面1:「では、胸骨切開時の注意点についていくつか言ってください」
私:「はい、まず切開時には声をかけてもらって、呼吸回路を外します」
面1:「それは何故?」
私:「肺を傷つけないようにです。また、この患者さんは大丈夫ですが他の胸骨正中切開手術を受けている患者では癒着による大量出血のリスクがあるので注意します(余計?)」
面1:「他にありますか?」
私:「・・・・いいえ、今は思いつきません。あ、胸骨切開とそれに続く開胸器の刺激は非常に強いので、レミフェンタニルあるいはフェンタニルで十分な鎮痛を測って循環動態の変動をできるだけ軽減します。」
面1:「じゃぁカニュレーションから大動脈遮断までの順番について言ってください」
私:「はい、この患者はARの患者(爆爆)なので、なんたらかんたら・・・」
面1:「・・・・まぁいいでしょう。大動脈カニュレーション時のACTはいくらくらいで?」
私:「(ラッキー)当院では300秒超えた時点でカニュレーションしてもらってます」
面1:「ではヘパリンの拮抗薬は?」
私:「(ラッキー)はい、・・・・・あれ?・・・・あ、あれ?」
面1:「先生、大丈夫だから、まず落ち着いて(苦笑)。知ってるのはわかってるから(苦笑)」
私:「あ、はい・・・・あっプロタミンです・・・(恥)」
面1「ですよね(苦笑)。では体温はどこでモニタリングしますか?」
私:「(ラッキー)はい、膀胱温、直腸温、皮膚温、咽頭温度です。」
面1:「はい、無事弁置換も終わって心臓を立ち上げました、が、●●温が25度(くらいだったかな)、△△温が□□度(すみません、忘れました)でした。この低体温の原因と対処について述べてください
私:「(え〜?人工心肺でしょ〜?故障?)。え〜まず人工心肺の加温装置のトラブルの可能性と、心外の手術室はキンキンに冷やされることも多いので環境温の影響と・・・消毒液の・・・・なんたらかんたら・・・対処はまずは人工心肺はMEさんになんとかもらうとして・・・あとは室温を上げて・・温風式加温装置やベッドのウォーマーで・・なんたらかんたら・・・」
面1「ふむ・・・まぁいいでしょう。ではこの手術では術者の要請で術野に二酸化炭素を流していました。これは何のためですか?」
私:「二酸化炭素は空気より重いので・・血管内への引き込みがなんらたかんたら・・」
面1(やや遮り気味に)「ですから、それは何のリスクを回避するためですか?」
私:「空気塞栓です」
面1面2「そうそうそうそう。そうやってね、簡潔に答えてね(笑)」
私:「はい・・・」(と恐縮しながらもなんて二人ともやさしいんだと、感謝)
面1:「あとは人工心肺中の麻酔の維持はどのようにしますか?」
私:「(ラッキー)それは当院の方法でいいですか?それとも一般的になものですか?」
面1:「普段やってるのでいいですよ」
私:「はい、鎮痛はレミフェンタニルの持続静注で。適宜フェンタニルを用いることもあります。鎮静はBISをモニタリングしながらプロポフォールの持続静注です。3mg/kg程度で。TCIポンプをまだ買ってくれないもんで・・。担当の先生によってはミダゾラムを投与することもあります」
面1:「はいいいですよ〜。ではこれで症例1は終了とします。では先生、2例目お願いします(と、となりの先生にバトンタッチ)」

(つづく)

「症例1」の感想。
 危惧していた小児心臓外科でなかった時点で一安心。小児の心臓外科は数年前にASD、VSD、PDA、たまにBTシャントを中心にかけていたのみだったのでかなり遠い記憶・・。
 序盤にASとARを間違っていたという凡ミス・・(まだこの時点では気づいていない)。 
 質問はどれも基本的な質問ばかり。自分が答えた細かな内容はややうろ覚えですが、たいだいは答えられたような気がします。やはりこういった基本的な症例で基本的な流れ、手技の理由、対処などが問われるのが口頭試問ではいいなぁ、と思います。ただ、基本的な質問ゆえに間違ってはいけないとか、自分が根本的に勘違いしていないか、とか答えながらかなり不安にもなります。こういった基本的な心臓外科の麻酔でも心臓外科がない病院にしばらくいると臨場感を忘れてしまうことも多いと思います。そういった意味では非常にラッキーな問題でした。









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