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□一般知識
- 蕁麻疹やアナフィラキシーショック、気管支喘息発作などの即時型アレルギー反応。
- ラテックスはゴムの木から抽出される。
- 原因タンパク質は1,4 cic-isoprene。
- 主に経皮的に感作されラテックス特異IgE抗体産生がおこる。
- 他の食物アレルギーと比べて本人がアレルギーであると認識していないことも多い。
- 筋弛緩薬に次いでアナフィラキシーの頻度が高い(3位は抗生物質)が、他の薬剤に比べて重症になりにくい傾向がある。
- アトピー性皮膚炎や喘息患者、食物アレルギー(バナナ、キウイ、メロン、アボカドなどのトロピカル系)、多剤アレルギーなどアレルギー体質の患者はラテックスアレルギーのリスクが高まる。
- 上記フルーツ摂取時に口腔咽頭内に痒みが生じるものをラテックスフルーツ症候群と呼ぶ。症状は口腔咽頭内に限局することが多いが、アナフィラキシーショックに陥ることもある。
- ラテックスアレルギー患者の30〜50%で果実・野菜に対するアレルギー歴がある。
- 疑った場合は皮膚科など受診して検査しておく(RASTやプリックテストなど)
- 術前回診時に、ゴムやフルーツなどのアレルギーは詳しく聞く習慣をつける(ゴム風船で唇が痒くなったなどのエピソードも)
□ラテックスアレルギーのハイリスクグループ
- 医療従事者(特に手指にアトピー性皮膚炎や接触性皮膚炎がある場合):1.1〜3.8%程度の医療従事者がラテックスに感作されているという報告もあり。
- 二分脊椎患者や妊婦(帝王切開の既往があればなおさら)、小児の泌尿生殖器奇形、複数の手術歴など繰り返し医療処置を受けている患者。
- 上記アレルギーの患者
- 帝王切開310例に1例でラテックスアレルギー患者がいるとの報告もあり(海外)。多くは胎盤娩出後であり、子宮内操作がリスクを高めると言われている。
□手術室での対応
- 手術はその日その部屋の 1 例目とする(飛散ラテックスが少ない)
- 物品(呼吸回路やバッグ、手袋、駆血帯、尿道バルーンやドレーンなど)はすべてラテックスフリーのものに変える。
- よくわからないものについては業者に確認をとっておく。
- 非ラテックス製品がなく、代替品が手に入らない場合には手術中止にするか、患者にふれないようにビニールやサラン ラップなどで巻いてから使用する。
- アナフィラキシーを発症した場合は、一般のアナフィラキシーの治療に準ずる。
- 原因のわからないショックや発赤を見た場合には疑ってかかる必要がある。
□おまけ:専門医と研修医の会話
専「今日はラテックスアレルギーについてのポイントを話そうか」
研「はい、去年おちて今年専門医になったばかりの先生、よろしくお願いします」
専「余計なことは言わなくていい。まぁ細かいことは教科書に書いてあるとおりなんやが、頻度的にもアナフィラキシーの2位だし、術中の原因不明のショックや全身発赤なんかをみたらまず疑わないかんのやけど、ラテックスアレルギーが問題になるのは、事前に診断がついていないことが多いってことなんよね」
研「それはどうしてなんですか?」
専「全身蕁麻疹やアナフィラキシーなんかのひどいアレルギー症状があったりすれば本人もわかってるし、食物アレルギーなんかは小さい頃から意識しとるやろ?ゴムアレルギーはそもそもアレルギーであるという認識もあまりないことがあるし、複数回の手術や看護師さんなんかの医療従事者でアトピーなんかがある人がいつのまにか感作されているということもあるんよ。そこで一番重要なことは何やと思う?」
研「やっぱり問診ですか?」
専「そーゆーこと!風船をふくらませるときに痒くなったことがあるかとか、アボカドとかキウイとか食べて蕁麻疹が出なくても口のなかが痒くなったことがあるかかとか、一回痒くなったことがあるから普段から普段から無意識にさわらないようになっていたとか、聞かないと本人も忘れてることがあるからね〜」
研「あと、どういう患者できちんと検査したほうがいいですかね?」
専「アナフィラキシーや全身の発赤や蕁麻疹などのエピソードがあったらもちろんやけど、あとは重症のアトピーや喘息、多剤アレルギーがあったり、アレルギー体質の医療従事者や妊婦とかかな」
研「わかりました。気をつけます。先生も人前で緊張する視線アレルギー、治るといいですね」
専「やかまし」
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