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2012年5月27日日曜日

まとめ:脳外科術後合併症


□一般的な術後管理
・頭部挙上し、脳血管からの静脈還流を増やす。
神経学的機能の頻回の評価(JSC、GCS、瞳孔など)
⇒悪化傾向があれば脳浮腫や術後出血・血腫、水頭症などを疑う。
・定期的に電解質や血清浸透圧、尿量もチェック

□術後合併症
・術後出血、血腫
・てんかん発作
・水頭症(慢性期)
・SIADH
・尿崩症(開頭術、特に下垂体手術で多い)
脳血管攣縮(特にクモ膜下出血後)

□脳血管攣縮について
クモ膜下出血後4〜14日後に生じる。
・意識レベル低下や片麻痺、失語などの脳梗塞症状を呈する。
・確定診断は脳血管造影(カテーテルによる造影やCT、MRAなど)だが必須ではない。
・経頭蓋超音波ドプラー(TCD)による評価も有用。

□脳血管攣縮の予防・治療について
TripleH(3H)療法
Hypervolemia
・アルブミンや低分子デキストラン、細胞外液、必要に応じて輸血を用いる。
・CVPを8〜12mmHg、PCWPなら18〜20mmHg程度を目標にする。
・輸液過剰による肺水腫や脳浮腫、心不全の予防として、フロートラック®やプリセップ®が最近よく使用されるようになった。
Hypertension
・血圧は140〜150mmHg程度でコントロール。
・カテコラミンや輸液でコントロールする。
Hemodilution
・輸血や輸液によりHtを30%前後にコントロールする。
・微小循環が改善する。
脳槽内血腫の排除:脳槽ドレーンやスパイナルドレナージを介して脳槽内の血腫を洗い流す。
・t-PA(モンテプラーゼ)の脳槽内投与
・ウロキナーゼによる灌流
・ペルジピンの脳槽内投与(クランプと開放)※ICU実践ハンドブックに記載
薬物投与(術後出血がないことを確認後)
・塩酸ファスジル(エリル®)
・オザグレルナトリウム 
・塩酸パパベリン
・カルシウム拮抗薬(予防には効果的。起こってしまうと効果なし)





□参考文献・書籍・Web
1)MGH麻酔の手引き p481-
2)SICUpearls p166-168
3)麻酔科シークレット第2版 p268
4)ICU実践ハンドブック p332

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