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2016年10月11日火曜日

体験談㊷(第55回麻酔科専門医認定試験)




筆記試験対策
過去問5年分を4周しました。
勉強を始めたのは2月からです。出産直後だったので、手の空いた時間に少しずつ過去問を解いていきました。青本のことは同期や先輩から聞いていて、4月頃に購入しました。
2周目から、1問ずつ青本と照らし合わせて解き、3周目は苦手な問題について書き足したりしながら進めました。4周目はもう直前でしたが、選択肢の正誤とそれぞれ解説が言えるくらいまで覚えこみました。
口頭・実技試験対策
7月に仕事に復帰してから、少しずつ青本を読み、とりあえず神経ブロックをなるべくやるようにしました。他は結局、筆記が終わってからの4日間で詰め込みました。病院では、始業点検の練習をしたり、呼吸器外科の先生に気管支の分岐をレクチャーしてもらったり、ブロックのレクチャーをしてもらったり。輪状甲状膜穿刺はしたことがなかったので、youtubeで見ておきました。家ではひたすら青本を読み、ぶつぶつ言いながら答える練習をしました。

2日ともポートピアホテルに前泊しました。朝が苦手なので、かなりストレスが軽減されました。

★筆記試験
A問題は例年通り過去問から、知っている問題ばかりで安心してできました。時間がだいぶ余ったので、退室して延泊してあった部屋にもどってのんびりしました。B問題はほかの先生方がおっしゃるように、笑えるような内容でした。冷や汗もでない。東京会場では、I田先生が「決して諦めるな」と激励されたようですね。私はすぎ諦めました。考えてももう何も絞り出せないし~と退室し、また部屋でのんびりしてました。C問題の前に会場に戻ると、みんな「できるわけないわ」ともはや清々しく笑っていました。C問題は1歩踏み込んだ問題が多いように思いました。難しかったですが、B問題のような絶望感はありませんでした。

★口頭試問①
70代 男性、80㎏台
直腸がんに対し開腹低位前方切除術が予定された。
糖尿病、高血圧で内服加療中
SSSPM入っている
2か月前に狭心症症状あり
内服:ニコランジル、アスピリン、経口血糖降下薬
・この症例で確認しておくこと5つ
・麻酔計画
・術前の内服はどうするか
・術中の心筋虚血のモニター2つ
・術中PMの取り扱いはどうするか
・硬膜外注し、執刀後に血圧低下、原因いくつかとその対応
さくさく進みました。回答中に正解が出ると試験官はマウスをカチカチ。しゃべりまくっていたら、うん、そのくらいですね、もういいよ、と止められました。
3年後、局所再発で下腹部とおしりの痛みを訴えている。ロキソニン内服は無効。
・薬は何をどのくらい処方するか
・オキシコドンを使いました、突出痛には何をどのくらい使うか
・ブロックについて主治医と対話してください
「腹腔神経叢ブロックの適応はありますか」
「他のブロックの方法には何がありますか」
「それには何をどのくらい使いますか」
内服はなんとか答えましたが、ブロックについてはほとんど答えられませんでした。マウス全然カチカチ言わない。そういや筆記の過去問で同じケースがあったなあ。。。

★口頭試問②
2輪に乗っていた70代の男性、自動車との事故
sBP:80HR:130RR:32SpO2:95%(リザーバー10L)
顔面打撲、腹部膨隆、JCS20
・問題点は
・この症例で術前に確認すること
●頭頸部、腹部CT、血液検査結果、開口制限あり(5mm)
(高度貧血、代謝性アシドーシス、顎骨・鼻骨骨折、血胸、腹腔内出血など)
・それぞれ所見を
・画像から、気道確保で注意する点
・搬入にあたり何を用意するか
・導入時、薬は何をどのくらい使うか
●執刀後、出血が5000mLを超えて未だ出血中。輸血は間に合わない・
・外科医と今後の方針について話し合ってください
(ガーゼパッキングで仮閉創、ほかの血液型ならあるとのことで、異形輸血の相談とか?)
●パッキングでICUに入室しました。出血はトータル8000mL
・術後の注意点は?
これはうまく答えられたような。

他の先生方の体験談を読むと、この2問は私にとっては当たりだったなと思いました。他の問題だったらもっと答えられなかったかも。
めちゃくちゃ緊張しましたが、なるべく迷いありません風に、はきはき答えるようにしました。時間は余りましたが、雑談なし、退室もできず、試験官と向かい合ったまま静かに時間まで待っていました。

★実技試験①
●満期のC/SCSEA2本刺し
・それぞれ刺す場所は?その理由は?
・硬膜外穿刺:手袋して消毒からカテ入れるまで
・消毒は何回?1回目と2回目の違いは?
・カテはどのくらい入れる?
TEE
・大動脈弁短軸像(RANCCはどれか)
・大動脈弁長軸像(LVM弁前尖はどれか)
エコーが軽すぎてうまく操作できず、なかなか短軸像を出せずにいると、シェーマを見せられ、これで指してといわれました。なぜか長軸像はすぐ出せました。いつもはできるんです・・・!と捨て台詞で退室。

★実技試験②
なごやか~
●ブロンコキャス(挿管済み)
・分離肺換気がうまくできない、直してください(青カフガ逸脱していた)
・右主気管支の同定はどうするか
・左B6を見せて
●気管支ブロッカー
・喉頭鏡で挿管
・右にブロッカーを入れる
・ブロッカーが浅い/深いとどうなるか
この部屋ではあまった時間におしゃべりしてました。先生どこの病院?口頭試問どうだった?とか。

★実技試験③
●成ACLS:手術室で神経ブロック後に意識消失、HR40、脈拍蝕知せず
・波形は何か
・心マ中:押す場所、深さ、テンポは?
・研修医に指示をだしてください
Vfに→除細動(もたれかかる試験官がいる)
・局麻中毒でした、第一選択は?
「え、アドレナ「ん?局麻中毒だよ?」「脂肪製剤です」
●乳児PALS:そへ術後、回復室で反応がなくなった、脈拍触知しない
・一緒にいた研修医に指示を出してください
・心マ:押す場所、深さ、テンポは?人工呼吸は?
入室した時に、すでに人形にはパッドが貼られていました。確かに貼られていました。今年はパッドなんや、しかも自分で貼らなくていいのね、と思いながら心マしていたのですが、いざ除細動しようとするとできない。「パッドを確認してください」とアラームがなって人形を振り返ると、パッドない。えーーー!!!貼ってありましたよね?!今、貼ってありましたよね?!?!なんでー!!そういう試験ですか?!あっ心マやめないでくださいよ!などと騒ぎ立ててしまいました。「あはは~いやごめん、剥がすの忘れてて~今はがしたの、だから貼って~」とのことでした。無駄に騒いだ自分にテンパってしまい、シールも剥がさず貼ろうとし、「シールははがそうね~」と優しく手伝っていただきました。。。本当に
恥ずかしかった。あかん落ちたわと思いました。

★実技試験④
10分ほど控室で待ち、パッドトラップの動揺をひきずったまま入室。
TAPブロック
成人男性が横たわっている。わかってはいましたがびびる。
・エコーで構造物、局麻はどこにいれるか、何神経がブロックされるか
・ゼリーみたいなのに神経が入っている、探して平行法でブロックしてください
・局麻を注入するときに注意することは何か
SG挿入
・エコーガイド下に内頸静脈穿刺
(最後のほうだったからか、かなりhypo。エコーでも静脈はぺしゃんこで、なかなか穿刺できず。。。試験官が水を足してくれてやっと穿刺できました)
・ガイドワイヤーは何センチいれるか
・不整脈がでたらどうするか
・シースをいれてください
SG挿入してください
・カテーテルから血液が逆流しない、どうしますか
SG挿入中の圧波形を指でかいてください
なんかいろいろ聞かれた気もしますが、穿刺できない時点でかなり辛く、呆然としながらやっていたので覚えていません。動揺のあまりダイレーターなしにシースを入れようとして入らず(当たり前)、さらに涙目、時間が押してきたので試験官が横からダイレーターを入れてくれたりと、たくさん手伝ってくれました。しょんぼりしながら終了。普段ふつうにやっていることなのに、こんなにできないとは、とかなり落ち込みました。

落ちたな~(特に実技)とがっくりきていたので、合格できてほっとしました。
勉強苦手、劣等生ですが、青本のおかげで一発合格できました。とくに口頭試問は青本なしではどう対策すればいいかも分からなかったと思います。購入を迷われているかたは、ぜひともお勧めしたいです。

本当にありがとうございました。

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