さらりーまん麻酔科医の専門医試験対策ページです。これからもよりよい対策資料を作っていきたいと思っています。 何かご相談などあればいつでもメールください。 ※ブログ引っ越しました。
2016年10月16日日曜日
体験談㊼(第55回麻酔科専門医認定試験)
【筆記試験対策】
過去問を解き始めたのは3、4月くらいからです。最終的に6年分を4〜5周、最新
の第54回は直前2週間前にプレ試験のように解いて、間違えた箇所のみ見直し
しました。勤務しながらの試験勉強であり、かつ最初の1周目は9割解けない
ような状態で1冊解くのにとても時間がかかりましたが、途中から青本をイヤ
ーノートのように使うことで、細かい部分の知識の整理にとても役立ちました
。
本番の試験では、A問題は過去問と言えど、x2、x3問題ばかりになっていて、
選ぶのも大変、マークミスしないように注意を払うのも大変でした。さらにB
問題がとても難しく、頭がショートしそうになり、C問題では疲れ果てて集中
力が低下し終えるのがやっとでした。大雑把な自己採点では、A問題9割、B問
題3割、C問題6割程度だと思います…。問題数が90・55・55問に変わったのが
地味に辛かったです。
【口頭試問】
1 70代男性、普通の体格、TIA頻発、かつ、胸痛あり。
最初にMRAとCAG画像を見せられ、所見を述べてください(右総頚動脈閉塞、
回旋枝閉塞)。この患者さんにCEAとCABGを行うことになりましたが、どち
らから行いますか?(CEAと答えました)なぜそちらの手術から行うか、主治
医に説明してください。
今回はCEAから行うことになりましたが、術中必要なモニターを挙げてくださ
い(Aライン、BIS、rSO2、MEPなど)。ここで、MEP波形を示しますが、この
ように変化しました→MEP波形が消失。どう対応しますか?術者になにかして
もらうことは?術後、何が起こりうる可能性がありますか?
では、次にCABGを行いました。術中、回旋枝の吻合中に血圧低下がありまし
た。何を考え、どう対応しますか?術後管理はどうしますか、挿管帰室として
人工呼吸器設定を述べてください。
2 40代男性、肥満、1年前に舌癌手術、放射線治療後。今回、腹腔鏡下左半結
腸切除を行うことになった。
最初に、術前血液検査所見について述べてください。麻酔方法について、挿管
方法について述べてください(念のための意識下挿管と答えました…)。
今回は、プロポフォールで入眠させ、挿管は喉頭鏡を使用し3回目でようやく
挿管、デスフルラン6%で維持しました。低流量麻酔を行いますが、酸素・空
気はどうしますか?デスフルランの呼気濃度がなかなか上がってきません、ど
うしますか?画面に、etCO2、inCO2、etDESのアラーム設定を表示され、どの
ように設定し直しますか?
次に、圧換気量曲線が表示され、何モードか答えてください。気腹開始、頭低
位にすると波形が変りました→換気量が少なくなった状態のループを見て何を
考えますか?どう対応しますか?手術終了し、抜管はどうしますか?
【実技試験】
①−1:ACLS
既に主治医が挿管済みの状況。モニターでPEAの波形を答えさせ、CPR開始。
その後、パルスチェックでVF→DCかける。すると、etCO2モニター波形の用
紙(波形が小さく、かつ、徐々に小さくなっていく様子)を見せられ、何を考
えますか?
1− 2:PALS
3ヶ月小児、CRP行う。マスク換気してくださいと手伝いを頼むと、1人でお願
いしますと言われ1人法で。
2− 1:DAM
下顎骨折後、開口1横指の患者に意識下経鼻挿管をします。準備、手順、使用
する薬剤など細かく説明→意識下ファイバー挿管を実践。その後、もしファイ
バーで全く声門が見えなかったらどうしますか?
②−2:輪状甲状間膜穿刺
ミニトラック(クイックトラックもあった)使用し、模型に穿刺。
③−1:無痛分娩
硬膜外カテーテルの穿刺高は?なぜその場所?その後、実際に手袋着用からカ
テーテル挿入まで全て。
3− 2:TEE
4chamber描出→前尖はどこ?次、左室短軸像描出→どこが動いてないか?下壁
〜下壁中隔の収縮悪い、じゃあ心電図はどうなる?
4− 1:鎖骨上神経ブロック
被験者にエコーあてて描出→動脈・肋骨・胸膜を聞かれる。その状態でどこか
ら穿刺するか?次、実際にブロック針使って模型にエコーガイド下穿刺し、ど
こに局麻を注入するか画面見て答えさせる。さらに、また別の模型(動脈と静
脈が映る)にエコーあてて、なぜそれを動脈or静脈と判断するのか?
4 −2:TOFウォッチ
被験者の腕で測定(母指内転筋、尺骨神経)。それ以外の場所で測定できると
ころは?どこにモニター貼るか指で示して、何神経刺激するか?(皺眉筋、顔
面神経)
4 −3:エコーガイド下内頸静脈CVカテーテル穿刺
実際に模型に穿刺。ガイドワイヤー抜去したところで、逆血確認しようとする
と逆血が引けなかった、どうする?(陰圧かけながら少しずつカテーテル抜い
てきます、と答えると、それでも引けないのよ!と凄い勢いで言われ、じゃあ
抜いて再穿刺します!!と言ったところでちょうどタイムアップ…。)
試験官は1部屋2人ずつ、どの部屋も比較的普通〜優しかったですが、最後の神
経ブロック&CVの部屋の先生は、試験項目が多く時間がなかったせいもあるの
か、凄い急かし様でやや怖かったです。
【口頭試問・実技試験対策】
口頭試問対策については、1ヶ月くらい前から青本をちょこちょこ読み始めま
したが、思っていたよりボリュームがあり全然進まず、結局筆記試験が終わっ
てから慌てて声に出して読んだり、問題を出し合いしたり、青本の解説部分を
繰り返し読んで対応しました。質問に対して短時間で簡潔に答えられるように
練習したことは、本番で5分程度余裕を持って終えるので効果があったと思い
ます。反省点としては、青本があったにも関わらず直前まで全然開いていなか
ったので、どのような感じで出題がされるのかもう少し早めに見ておけば良か
ったなと思いました。
実技試験対策については、過去出題されたものを総ざらいし、実際に練習でき
る手技は2回程度繰り返して練習しました。特に輪状甲状間膜穿刺、TEEにつ
いてはなかなか実践する機会が少ないので、練習しておくことで本番落ち着い
て対応することが出来ました。
3科目とも青本にはとてもお世話になり、無事合格することが出来ました。特
に、口頭試問については、青本がない場合はどう試験対策しているのだろう…
と疑問に思うほどでした。13年目麻酔科医の先生、本当にありがとうございま
した。
登録:
コメントの投稿 (Atom)
0 件のコメント:
コメントを投稿