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2016年10月15日土曜日

体験談㊹(第55回麻酔科専門医認定試験)



筆記試験

A問題はほとんど過去問そのままでした。
去年までとの違いは「3つ選べ」と「2つ選べ」となり組み合わせ5択はなくなりました。
かつ「正しいものは」と「誤ったものは」が混在します。
A問題で9割取らなければ厳しいテストですので、ケアレスミスが無いように特訓するべきと感じました。
B問題はかなり難しかったです。過去問の削除問題からも出題されていました。
削除問題も調べて勉強していましたが、その上を行く難易度でした。
C問題は新作もありましたが、臨床現場での思考ルーチンを問われていると感じました。
自分の予想としては、A問題は95%、B問題は35%、C問題は60%くらいだと思います。

口頭試問

金曜の昼集合のグループでした。
まずは移動用のエレベータがー狭すぎて、正常の思考を妨げます。
暗い廊下で問題用紙を渡され5分間目を通します。
部屋ごとに試験官が一人と受験生が一人で、ドアの外に椅子が2台ある状態が20部屋程度続く狭い廊下です。
エレベーターから廊下の異様な雰囲気が正常の思考を極限まで妨げます。
さっきまで覚えていた抗凝固薬の作用機序と休薬期間は忘却の彼方となります。
なぜか「落ちると病院は認定が取り消しとなり、後輩の専門医試験が受けられなくなる」という言葉がリフレインします。
殆どの方は、いつもどおりの性能は決して出ませんので注意してください。
部屋に入ると口頭試問で、試験管は2人でした。
簡単な挨拶の後は、試験官の自己紹介からはじまります。
問題は①透析患者の大動脈弁狭窄の弁置換と、②前置胎盤で全身麻酔手術でした。
質問の根底には常に「その麻酔を実際に経験しているか」というテーマがあると感じました。
同じグループの友人で実際に全身麻酔のカイザーをしていない方は「あなたは全身麻酔のカイザーをしたことがありませんね?」と指摘されたようです。
使う薬の量を細かにきいてこられました。
呼吸器の設定も細かにきかれました。
なお、部屋に入ってから側面のテレビモニターにさらにデータが出て、それを見て進んでいく感じでした。
そのデータが重要でして、最初の紙はあくまでシチュエーションだけ把握するための印象です
①血液データ+心臓エコー→特に重要なデータを5つ挙げてください
②CT→麻酔で気をつけることを3つ挙げてください(石灰化がありカニュレーションが難しそうなど)
③送血管側の圧が200を超えている。考えられる原因と原因検索方法を5つ挙げてください。
④ICU入室後にScvO2が60台に一時的に低下しています、原因を5つ挙げてください。
それぞれの質問にさらにツッコミが入ります。
⑤先程のScvO2が60台の低下は痙攣でした。治療方針はどうしますか?
⑥ICU入室後の鎮痛や鎮静はどの薬品を、どの様に溶かし、どの速度で、どの様に使うのか。呼吸器設定は?

全身麻酔カイザーは得意でしたので何とか答えられましたが試験官は厳しそうでした。
①麻酔の導入量をいつもどおり教えてください。
②挿管で注意すべき点。
③IV-PCAの組成と量。
④出血しました。どんなことに気をつけますか。産科的DICの対応方法は?
⑤ICU入室後の鎮痛や鎮静はどの薬品を、どの様に溶かし、どの速度で、どの様に使うのか。
自発呼吸が全くありませんが呼吸器設定は?

実技試験

一部屋目
①硬膜外麻酔:挿入位置、カテーテルの留置の長さなどを問われました。手袋を履いて清潔操作を要求されました。
②経食道エコー:まずはフォーチャンバーを出してくださいと言われ、そのあと右心室の位置と僧帽弁前尖の位置を教えてくださいと言われました。
送血管のカニュレーションをみるビューを出して、頭側がどちらか答えなさいと言われました。
シミュレーターに慣れていないと上手くできません。

二部屋目
③換気:トリプルAで換気してくださいと言われ意味もわからず必死で換気しました。人形は換気困難人形でした。換気がうまくいくと、「ほほう」という顔で見られました。
④I-gel越しにブロンコファイバーで気管チューブを挿管して換気してくださいと言われました。ファイバーの軸が少し曲がっていました。
ファイバーの軸が少し曲がっているのを外病院で経験したのが幸いし、すぐに挿管できました。

三部屋目
⑤ACLSで、PEA→Vfで除細動パターンでした。VfとVTを間違えて発語したため、すぐに「先程のはVfです」「Vfです」「Vfですので同期無しで、、、」
と言い訳ばかりのグダグダな蘇生でした。
除細動の充電ボタンがパドルに付いていないため焦りました。本体で充電してパドルでショックします。
焦りながら、充電ボタンを探してください、心マを続けてください、と言いました。
充電ボタンは教えてくれず、自力で見つけて充電→離れてください+近寄る→離れてください→ショックでした。
胸骨圧迫の位置や深さも問われました。
⑥小児の一人蘇生でした。胸骨圧迫の位置や深さやペースを問われました。
先の部屋と違って試験官の心象は当然のことですが、かなり悪い雰囲気でした。

四部屋目
⑥腕神経叢ブロックの鎖骨上アプローチでした。動脈や静脈と胸膜と肋骨の名前を言いながら説明。
⑦ゼリーのキットを使って、エコーで平行法で穿刺する。うまく針が全て出せながら目標物まで行くと「OK」と言われました。
⑧スワンガンツでどのように挿入するか。小さな白板にガンツの右房と右室とウエッジの波形を書く。

ほとんど誘導はなしで、ipadで採点でした。
ACLSと経食道エコーは時間が足りませんでした。
ACLSのときにはミスが多かったのか、ipadに文を書き込まれていました。
このせいで落ちたかもしれないという不安の渦でスワンガンツの波形を書き込みました。

最も強く感じたのは口頭試験の勉強は早い時期から始めたほうが良いと感じました。
口頭試験では、青本が大変役に立ちました。本当にありがとうございました。

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